金正恩影武者説はデマ「北朝鮮で流行りの整形技術」自らの健康と存在感をアピール

北朝鮮

建国記念日のパレードに登場した金正恩(キムジョンウン)があまりにも変貌していたことから、世間では「影武者」説が広がっています。

この記事では金正恩の影武者説を取り巻く状況を徹底検証し、 金正恩影武者説の本質に迫っていきます。

金正恩影武者説はデマ!「耳や歯は変わっていない」

2021年9月に現れた金正恩(キムジョンウン)が激やせしてイケメン化していたため、今回の金正恩は「影武者」ではないかと囁かれています。そこでまず、今年1月の太っていた金正恩と影武者と噂される9月の金正恩を比較していきます。

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左が今年1月のキムジョンウンで、右が今年9月に撮影された金正恩です。東スポによれば、「耳の形や歯並びを比べるとそれぞれ違う人物では(≒影武者)と疑わざるを得ない」(北朝鮮事情通)ということで、影武者かの判断には歯や耳が重要とのことです。そこで、金正恩の写真の歯形を比較してみます。

まずは今年1月のキムジョンウンと、影武者とされるイケメン金正恩の口元を拡大してみます。 当初、影武者説を肯定していた管理人も驚くほど、1月と9月で歯形や歯並びがそっくりです。金正恩の口元だけを見ると、少なくとも1月と9月の金正恩は同一人物であると考えられます。

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続いては金正恩の耳です。影武者説支持者の間では、「金正恩の耳の形が変わっている!」と騒ぎになっています。確かに下の写真の「1月」に比べ、影武者とされる「9月-1」では耳たぶの広がりが小さく見えます。しかし、角度の違う金正恩の写真を持ってくると、影武者とされるキムジョンウンにも広い耳たぶがあることが分かります。

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歯形を完全に一致させることはいくら北朝鮮でも至難の業です。1月(本物)と9月(影武者)で歯形が変わらず、かつ、耳の形もあまり変わっていないとなれば、「違う人物である」との判断には無理があるでしょう。以上から、今年9月に突如現れたイケメン金正恩の影武者説は「デマ」であることが濃厚です。

金正恩に影武者11人は無理「人口比率的にあり得ない」

一方、東スポの記事によれば、「金正恩には12人の影武者がいるが今回のは全く似ていない」(北朝鮮に詳しい拓殖大学の高ヨンチョル氏)とする意見があります。この話が真実だとすると、2021年1月以降のキムジョンウンとそれ以前の金正恩は異なり、かつ、10数人の影武者が交代で姿を現していたことになります。

しかし、この話はあまりにも現実離れしていると言わざるを得ません。まず北朝鮮の人口は約2600万人で、日本の5分の1しかいません。より人口の多い日本国内ですら、そっくりさん選手権で「似てない!」と失望することが多い中、人口5分の1で12体(1ダース)のキムジョンウンを準備するのは不可能でしょう。

また、「中国から金正恩のクローンを輸入」という説もあり得ますが、さすがの中国も北朝鮮のために10体ものクローンを作るのはバカげていますし、もしバレれれば研究倫理の観点で世界中から総スカンにあいます。

さらに、過去のキムジョンウンの顔画像を時系列で並べてみると、影武者が12体いるというにはあまりにも各個体が似すぎています。金正恩に影武者が12体いるとすれば、1体だけが極めて過剰な労働を強いられていることになってしまいます。

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人口比率や過去の画像比較の観点から、金正恩に影武者が10体以上いるという話もデマと言わざるを得ないでしょう。

金正恩は整形をしたたげ「北朝鮮で流行りの整形技術」

ここまで、金正恩(キムジョンウン)の影武者説がデマであることを様々な角度から検証してきました。しかし、9月に公の前に姿を現した金正恩が「激やせしてイケメン化」しているのは事実です。

この変化についてネットでは、「整形したのでは」との声も挙がっています。

・整形したんか?って言うぐらい、今回は顔つきが違う
・盧武鉉(ノムヒョン)ぽくなったかな?ってことはただの整形か
※注:盧武鉉(ノムヒョン)は元韓国大統領で、目を二重に整形したことで有名

調べていくと、北朝鮮では女性を中心に整形が流行してきているとの情報が見つかりました。元在日脱北者である金柱聖氏によれば、韓国ドラマがきっかけとのことです。

北朝鮮女性の間でも整形が広がってきている。きっかけは韓国ドラマに出演していたコ・ヒョンジョンさんで、彼女に似せるためにオデコのしわを引っ張る手術が流行した。
出典:FNNプライムオンライン

コ・ヒョンジョンさんは韓国の女優でミスコリア第2位の実績を持ちます。韓国ドラマ史上2番目の視聴率を記録したドラマ「砂時計」に出演した美人女優です。チャームポイントはキレイな卵型のオデコです。

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金正恩は、北朝鮮国民の動きをすべて監視し、把握していると言われています。女性の間でオデコを引き上げる整形が流行っていることを知らないはずはありません。Before/Afterのキムジョンウンを見ると一目瞭然ですが、影武者と言われた今回の金正恩にはオデコのしわが全くと言っていいほどありません。影武者と言われた金正恩はオデコのしわを整形で取り除くことによって若々しくなっただけ、ということになります。

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金正恩は元々は二重です。しかし、年々顔や瞼(まぶた)にお肉がついてしまい、二重も隠れていってしまいました。しかし、オデコを上に上げたことで、二重もクッキリと見えるようになっています。影武者と言われた金正恩の目が輝いて見えるのも二重がくっきりとしたことに起因すると考えられます。

以上のように、影武者と言われた金正恩はキムジョンウン本人で、整形(とおそらくダイエット)によって若々しさを手に入れたというのがより妥当と言えるでしょう。

自らの健康と存在感をアピール「僕にかまって!」

ではなぜ金正恩は今回、影武者疑惑が出るほどの変貌を遂げてみせたのでしょうか?一つには、北朝鮮国民に対する安心感の醸成です。

キムジョンウンは元々はやせ細っていました。しかし、北朝鮮では祖父の金日成や父の金正日のように、「やや太って恰幅のある男性」が権力者の象徴と見られています。3代目の最高指導者となった金正恩は、先代たちに負けるものかと自らの体をどんどん肥やしていきました。

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学生時代のキムジョンウン(出典:朝日新聞デジタル)

しかし、金正恩はあまりにも太りすぎて、糖尿病を発症するまでになってしまいます。健康を害してしまえば国家統治などできるはずがありません。そこで今年に入ってから減量を開始しましたが、無理がたたってやつれてしまいました。以下は2021年の6月に撮影された金正恩です。

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やつれたキムジョンウンを見た北朝鮮国民はショックを隠せません。ある北朝鮮市民は「敬愛するキムジョンウン総書記のやつれた姿を見た時、人民は一番胸が痛かった」(朝鮮中央テレビ)と語っています。そこで金正恩は、自らの支配下に置いている国民を安心させるべく、華麗な復活を演出することにしたのです。

もう一つは国際社会への存在感アピールです。もともと北朝鮮(=キムジョンウン)は構ってちゃん。北朝鮮という存在が国際社会から消えないよう、ミサイルを打ってみたり、軍事パレードを大がかりにやってみたりしてきました。トランプ前大統領との歴史的会談が開かれた2019年秋、北朝鮮(金正恩)の存在感は最高潮に達していたと言っていいでしょう。

しかし2020年以降、世界の最大の関心は「コ〇ナ対策」になり、北朝鮮の注目度は大きく低下しました。加えて頼みの米国も、大統領がトランプからバイデンに変わってしまいます。今までのように「また会談しようよ~」といっても相手にしてくれません。ネタが亡くなったキムジョンウンは自らの健康問題を逆手に取り、「指導者の華々しい復活」で国際社会に存在感をアピールすることにしたのです。

実際、アメリカやイギリスの各国メディアは、今回の金正恩の変貌を「減量に成功!」と大きく取り上げてくれました。「北朝鮮の存在感を高める」という金正恩の目論見はまさにピタリと当たったことになります。

キムジョンウンの影武者説まで流れた金正恩ハンサム化。今後、金正恩が北朝鮮国民を掌握しながら、世界の注目を浴びるためにどう姿を変えていくのか目が離せません。

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